「吸血鬼と人間」用語解説

俺たちの住むこの異界、アウラ・ヴァイムについて説明する役割を担ったギルベルトだ。
吸血鬼と人間が共存する変質的な異界故、まだまだ俺も知らないことが多いが、研究者として知る限りのことを
出来るだけ伝わりやすく説明出来るよう努めさせてもらう。

とは言えギルべぇは口下手なところもあるんでね。大親友であるこのオレ、ルートヴィヒさんも
補佐に入らせてもらうぜ。
元王国騎士団長サマと現王国騎士団長の役割として適任と言えるこの采配、流石俺って感じだろ?

その呼び方をやめろそしていつ親友になった?
はぁ……まぁ、毎回突っ込んでいても進まないし今回ばかりは勝手にしろ。
まず始めに、ここアウラは古い記録によると、創造神と呼ばれる存在によって創り出された地らしい。

切り替え早ぇ~な。まぁいいけど。
んで、その創造神ってのが寿命の概念の存在しない吸血鬼も創り出した張本人。らしい。
あ、二人揃って「らしい」しか言ってないのはご愛嬌な。流石に異界の創世期の話なんか、人間には伝え聞くしかない。

異界全体の特徴としては、自然豊かで観光地が多い。
地域によって気候や特産物が大きく異なり、それら全てが一年を通して王都に集まることから、市場なんかは常に
盛り上がっているな。神の恵みと崇める者も多い。
王都 ヘンリヴェイムについて

で、そんな王都ヘンリヴェイムは、オレたちが在籍してる、してた騎士団のある国ってことだな。
王国お抱えの騎士団だけあって、本当にツワモノ揃いだぜ。その騎士団長~なオレたちの凄さが一瞬で伝わるだろ?

そういうことは普通騎士団長自ら言わないと思うが……。
一口に騎士団と言っても、魔法職で固めたり、俺たちみたいな剣士だけの編成だったりといくつかの部隊に
分けられている。ルートヴィヒの部隊は少数編成だしそのトップと言われてもな。真に受けなくていい。

前任の団長サマは手厳しいねぇ~。一応お前の顔も立ててるつもりなんだけどな。
まぁ、それはそうとして。ヘンリは王都なだけあって、当然アウラで最大級の面積と人口を誇る。
そしてこの名前は、異界の名前を文字って創造神から拝命したとされているんだ。

どう考えてもこれを先に言うべきだっただろう……はぁ……順番が前後してしまい申し訳ない……。
これでもこいつはこの国の第一王子なのだが、見ての通りの適当ぶりでな……。
心の底から弟がまともで良かったと思わざるを得ない。

あいつと両親にはホントに感謝しかないよね。オレはお前と剣振ってるのが性に合うし、あいつは政治向いてるし。
ってかお前とオレが初めて会った時のこと覚えてるか?俺は面白すぎてメチャクチャ覚えて……
