top of page

「吸血鬼と人間」用語解説

1.jpg

俺たちの住むこの異界、アウラ・ヴァイムについて説明する役割を担ったギルベルトだ。

吸血鬼と人間が共存する変質的な異界故、まだまだ俺も知らないことが多いが、研究者として知る限りのことを

出来るだけ伝わりやすく説明出来るよう努めさせてもらう。

23.jpg

​とは言えギルべぇは口下手なところもあるんでね。大親友であるこのオレ、ルートヴィヒさんも

補佐に入らせてもらうぜ。

元王国騎士団長サマと現王国騎士団長の役割として適任と言えるこの采配、流石俺って感じだろ?

1.jpg

その呼び方をやめろそしていつ親友になった?

はぁ……まぁ、毎回突っ込んでいても進まないし今回ばかりは勝手にしろ。

​まず始めに、ここアウラは古い記録によると、創造神と呼ばれる存在によって創り出された地らしい。

23.jpg

切り替え早ぇ~な。まぁいいけど。

んで、その創造神ってのが寿命の概念の存在しない吸血鬼も創り出した張本人。らしい。

​あ、二人揃って「らしい」しか言ってないのはご愛嬌な。流石に異界の創世期の話なんか、人間には伝え聞くしかない。

1.jpg

異界全体の特徴としては、自然豊かで観光地が多い。

地域によって気候や特産物が大きく異なり、それら全てが一年を通して王都に集まることから、市場なんかは常に

盛り上がっている​な。神の恵みと崇める者も多い。

王都 ヘンリヴェイムについて

23.jpg

で、そんな王都ヘンリヴェイムは、オレたちが在籍してる、してた騎士団のある国ってことだな。

王国お抱えの騎士団だけあって、本当にツワモノ揃いだぜ。その騎士団長~なオレたちの凄さが一瞬で伝わるだろ?

1.jpg

そういうことは普通騎士団長自ら言わないと思うが……。

一口に騎士団と言っても、魔法職で固めたり、俺たちみたいな剣士だけの編成だったりといくつかの部隊に

​分けられている。ルートヴィヒの部隊は少数編成だしそのトップと言われてもな。真に受けなくていい。

23.jpg

前任の団長サマは手厳しいねぇ~。一応お前の顔も立ててるつもりなんだけどな。

まぁ、それはそうとして。ヘンリは王都なだけあって、当然アウラで最大級の面積と人口を誇る。

そしてこの名前は、異界の名前を文字って創造神から拝命したとされているんだ。

1.jpg

どう考えてもこれを先に言うべきだっただろう……はぁ……順番が前後してしまい申し訳ない……。

これでもこいつはこの国の第一王子なのだが、見ての通りの適当ぶりでな……。

​心の底から弟がまともで良かったと思わざるを得ない。

23.jpg

あいつと両親にはホントに感謝しかないよね。オレはお前と剣振ってるのが性に合うし、あいつは政治向いてるし。​

ってかお前とオレが初めて会った時のこと覚えてるか?俺は面白すぎてメチャクチャ覚えて……

1.jpg

その話は今関係ないだろうが!……全く結局こうなる……はぁ……

……だが役目を放棄する訳にもいかん。次はお前の家の話が主な内容になるんだから少しは真面目にやってくれ。

人間について

23.jpg

はいはい、心得てますとも。流石に王家の話はね。

そのまた昔の大昔、アウラが創り出されたその時のことなんだけど、エルヴェリオ家初代当主……つまり俺のご先祖様

であり、人間側の王。そして​吸血鬼側の王は、同時に創造神によって創り出された原初の存在だ。

1.jpg

この双方の王がそれぞれの決まり事を定め、両者間の均衡を保っている、というわけだ。

現在は知っての通りルートヴィヒの御父上が人間側の役割を担っているが、吸血鬼側の王は俺たちの生まれる遥か昔に

封印されているらしく、三大名家と呼ばれる始祖の直系の者たちが代々その任を全うしているらしい。​

23.jpg

ややこしいとこの解説サンキュ。まぁ吸血鬼側の話については後で詳しくね。

で、年イチくらいのペースで王家の人間とその三大名家の当主たちしか知らない場所で会議やったりもする。

あ、でもオレは知らないぜ。こういうことは全部弟任せだからな。堂々と言うことじゃないけど。

1.jpg

​全くだ。その分騎士団長として日々の努力を怠らないことだな。

​……と、人間側の必須事項はこのくらいだろうか。思ったより手短に済んだ気もするが、まぁこの異界の性質上

どうしても吸血鬼側の内容の方が多くなるから必然とも言えるが。

吸血鬼について

23.jpg

んで吸血鬼についてだけど……読んで字の如く、血を吸う鬼。のように強力な力を持った種族。

それもあってか、数は人間に比べるとかなり少ない。だが、力の強い奴ほど人間を吸血鬼に取り込む……つまり

​眷属にすることが可能な奴も存在する。三大名家なんかはまぁそれに該当するんだろうな。

1.jpg

創造神が吸血鬼を創り出した理由についてだが、様々な憶測が飛び交っていてまぁ纏まりがない。

ただ、吸血鬼と言ってもその種族らしくない者も多いそうで、本質は人間とさして変わらない印象もある。

……とは言え、基本的には人間の血を吸うことで生活している種族に違いはない。​

23.jpg

だから人間はその被害ももちろん被る訳で。でも吸血鬼の存在を信じていない・知らない奴が多いんだよね。

俺たち元・現騎士ですら人間を相手にすることの方が多いから無理もないけど。

​ただこれも地域差や家柄にもよるところは大きいな。

1.jpg

好戦的な者や隠れるように暮らす者……さらには人間と暮らすことを実現させる者もいるからな。

あとは人間や同胞関係なく蹂躙行為を働く、行き過ぎた連中も残念ながら存在する。

ただ、この多様な性質は人間と通ずるものを感じていて、個人的には研究のし甲斐があったりはするんだが。

23.jpg

まーそんなこんなでアウラは回ってるよねっていう。吸血鬼全員が人間にとっての悪って訳じゃないしな。

むしろいい抑止力として働いてる気もするし?何かあったら俺たちの出番だし、教会なんかも多いしな。

​優秀な聖職者がたくさんいるってのも有難い話だよ本当に。

bottom of page